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気づくのを待つ

「あ、わかりました」

昨日教えている時に、この言葉を聞きました。

授業の途中だったのですが、その言葉を聞いた後、席に戻らせて自分で直しをしてもらうと、全て合っていました。

これは、教えている最中に、生徒が自分の間違いや解答への道筋に気づいた時の言葉です。

私は、指導中にこの言葉が出るのがベストだと思っています。

生徒の頭が働いている証拠ですから。

どれだけわかりやすい説明をして、生徒が「わかりました!」と言っても、

生徒が自ら気づいた「わかりました」には勝てません。

ということで、これを意図的に引き出す方法はいくつかあるのですが、

指導中、授業中に限って言えば、間を作ることを意識しています。

生徒が考える隙間を作るということですね。

立て板に水のように、喋り倒さないということです。

教える側には全てわかっているので、どうしても1から10まで教えてしまいがちですが、

それだと生徒の考える力はつきません。ヒントを出しつつ、生徒が考える隙間を残すことが必要です。

かといって、放置し過ぎても生徒は考えるよすがもありませんから、ここは適切な距離感が大切ですね。

基本的には、最初は正しい解き方や考え方を教えながら、徐々に手を離していくのが良いでしょう。もちろん、生徒の性格や現状の能力にもよります。

あとは、生徒が自らひねり出した答えについては、それがたとえ間違っていたとしても、どのような考えでそう答えたのかについては理解を示します。

自分で考えて答えを出そうとする行為自体は、とても良いことですからね。ちょっとトンチンカンだとしても、それを否定しないのは大切です。それを繰り返しているうちに成長がありますから。

間違えること自体は恥ずかしいことでもなんでもなく、答えを自分で出そうとしないことの方が良くないことですからね。

教え切った後に、理解を確認する方法もあります。生徒に解き方をもう一度説明させる方法ですね。これは、途中で「わかりました」が出なかった時に使うことが多いです。

いずれにせよ、ただ教えるだけではもったいないですから。十分に生徒の頭が働くような指導を、考え続けたいところです。