礼儀

新しく見る子にまず教えるのは、勉強のやり方…

ではなく、礼儀であることが多いです。

「まず挨拶をしようね」

「返事はうん、じゃなくて、はい、ね」

「敬語抜けてるよ。もう一度言って」

「持ってきた時はお願いします、教えてもらったらありがとうございます、ね」

などと、最初に来た子には、こうるさく言ってます。もちろん、最初からできる子もいますが…。

偉そうにしたいわけではないのです。

大人と子供である以上、私は一定の距離感や礼儀は必要だと感じる方というだけです。

きっちりしていないと、指導に集中できません。

もちろん、敬語を使わずに、フレンドリーな距離感で接する指導者もおられるでしょうし、

子供にとっても楽しいでしょうから、それを否定するわけではありませんが。

私はどうも、きっちりした関係の方がやりやすいと感じます。

ですから、生徒にもそれは求めます。どうせ譲歩できない条件ですから、早い方が良いでしょう。私はこういう人間だと、早く伝わった方がいい。

これについては、私から生徒に合わせられるわけではありませんから。ならば早く合わせてもらった方がいいですね。

その代わり、生徒にも礼儀は忘れないようにしています。大人から子供にも、悪い時は謝りますし、感謝の言葉も伝えます。挨拶もします。「こんにちは」「ごめんね」「ありがとう」は言えるように心がけています。心がけるというほど、大袈裟なものでもないですし、当然のことなのですが…。ただ、やはり周りが子供ばかりということが多いので、職業柄偉くなったと勘違いしやすいのではないかと、恐れています。礼儀を求めることは、手段であって目的ではありません。ここを勘違いしないようにしたいですね。

あとは、礼儀は、子供にとっては安心材料になるはずです。

「礼儀を守っていれば怒ってこない」という安心材料ですね。

いや、もちろんどれだけ礼儀を守っていようが宿題を忘れたなら怒ることもありますし、授業中に寝ていたら外に出すことも家に帰ってもらうこともあるのですが…。

目の前の大人に対するルールブックのようなものですね。それを早く渡してあげたほうが良いでしょう。子供にとっても、初めて会う大人の男性というのは、基本的に怖い面もあるでしょうから、それに対する説明書というか、地図というか、手掛かりのようなものを渡すイメージですね。

「この人はこういう人間だ」という、そういうものは早く伝えたほうが、子供も余計な不安を考えずに、勉強に集中できると感じています。

実際、礼儀について毎日のように言うことはほとんどありません。新しく来た子には、何度か言う程度で、普段通っている子には何も言うことはありません。内容も、特段厳しいものでもありませんし。

あくまでも、指導をスムーズにするためのものです。偉そうにすることが目的ではないので、必要がなければ言う必要もありませんから。

ということで、指導をうまくいかせるためにも、塾での礼儀を伝えることは、早い方が良いという話でした。