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前期の数学は、全て解こうとしない

昨日は前期選抜の国語について書いたので、今回は数学を。

数学は、はっきり言って難しいです。ほとんどの子にとって、国語、英語よりも低い点数となるでしょう。

まず、最初の大問1は、基礎的な計算問題で構成されているように見えますが、

どの問題も、引っかかる要素があります。どの問題も、中途半端な練習量の受験生に、負け筋を用意しています。

偏差値が50程度の子、つまり平均的な学力の子だと、50点中20点もいかないことが多いでしょう。

学校で数学が得意な子、普段は5がついている子でも、50点中30点にいかないことは普通です。

城南菱創や南陽に前期選抜で受かる子で、ようやく30点に乗る印象です。その中でも上位で受かる子や、学年でも有数の数学自慢が、40点以上を取ってきます。まず、それだけ難しいテストだと考えましょう。

そもそも中学校によって授業で学習するレベルは違うので、前期選抜の点数を占うには、学校の成績よりも、模試の偏差値がより参考になるかと思います。

対策としては、取れる問題で落とさない練習をすることです。

具体的にいうと、教科書の章末問題(巻末の「力をつけよう」というところ)が満点を取れるようになることが目標です。学校のワークのAやB問題で満足しないようにしましょう。教科書の基本問題、簡単な問題は出ないと思った方がいいです。

逆に証明は、難しそうに見えてどの年も基本的です。練習さえすればできますから、証明だからといって恐れずに、さまざまなパターンを練習しておきましょう。適当な証明をして、できた気にならないように。きちんと指導者に自分の答案をチェックしてもらいましょう。

簡単に、直近5年分の単元を振り返ってみます。

2023年度 データの活用 空間図形 関数 平面図形(長方形の折り目、相似) 規則性

2022年度 確率 関数 平面図形(正三角形) 空間図形 規則性

2021年度 確率 関数 平面図形(平行四辺形) 空間図形 規則性

2020年度 データの活用 平面図形(円周角と相似)関数 空間図形 規則性

2019年度 確率 関数 空間図形 平面図形(円周角と正三角形) 規則性

平面図形や空間図形については、基本的に相似、三平方の定理、円周角の定理、三角形や平行四辺形の合同、などの知識を動員して解くことになります。

まず、大前提として、平面図形や空間図形、規則性の、最後の問題は解かないように(問題によっては2問目から)。時間を無駄にしてしまい、焦るだけです。貴重な時間を費やすのに、それは得点にならない時間です。勝てない敵と戦わないように。勝てる敵を見極めるのも実力です。模試の偏差値で60以上出ている子だけ挑戦しましょう。数学に自信がない子は、取れる問題に焦点を合わせて鍛えていきましょうね。そのほうが、合格の確率は上がります。

特に注意して練習したいのは、おうぎ形や球の体積、表面積の公式を駆使した問題。意外と覚えていないことが多いです。何度も練習しておきましょう。

関数でも、XとYの変化の関係や増加量、変域を問うものなど、みんなが苦手なところが問われます。たっぷり練習しましょう。

内角や外角の関係性を使って正n角形を求める問題もよく出題されますね。

それから、データの活用です。最近でこそ、この単元の入試問題も充実してきましたが、まだまだ練習が足りない子が多いです。比較的新しい単元なので、出会う量が少ないんですね。ここは練習量さえ取れば取れる可能性があるので、意識的に練習量を増やしましょう。

確率も、簡単な問題ばかり解いて満足してはいけません。簡単な数字を使った問題ではなく、aやbなどの文字を使った入試問題や応用問題にたくさん触れておきましょうね。

練習するレベル感に迷ったら、教科書の巻末の問題をやっておきましょう。特に3年生の教科書は、1、2年生の復習も充実していますから。ここで満点を取れるくらいの練習量を積みましょう。満点が取れるようになったら、近しいレベルの類題を探して解くこと。これで十分です。

とにかく、数学においては、高得点を狙うのではなく、失敗しないことが何より重要です。守りを固める意識を持ちましょう。こけなければそれでOKです。勝てない敵と戦って、勝てるはずの敵を倒しそこねる…そんなことがないように、練習しておきましょうね。以前も書きましたが、数学は沼にハマりやすい教科ですから。

もちろん、一部の数学自慢の子たちはどんどん攻めるといいでしょう。学校の定期テストは余裕の子、学校の授業は暇で退屈な子、塾の応用問題を解いている時が楽しい子、などです。

まとめると、やってほしいこととしては、

過去問を解いて自分のレベル感をチェック。

大問1で2問以上間違うなら、教科書の巻末問題を繰り返しましょう。満点が取れるまで。満足できないなら類題を探しましょう。

すでに大問1を全て正解できる力がある、または正解できる力がついたなら、平面図形や空間図形の応用問題を解いて、解くことのできるパターンを増やしましょう。

または、もう数学は追わずに、英語や国語を攻める力をつけることに時間を使いましょう。これ以上数学を攻めるより、英語や国語を学習した方が総合点は上がる可能性は高いです。

本番は、緊張した状態でミス率が上がることも忘れずに想定しておきましょうね。見直しをする時間も含めて演習をしておくことが大切です。