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前期の英語は取りに行こう

さて、前期選抜の英語について所見を書きます。

英語は、3教科の中では最も取りやすい教科です。塾生に過去問をやらせても、40点を超えてくることは珍しくありませんし、時々満点近く取る子も出てきます。

記憶に新しい、昨年の受験生も、英語で50点中49点を取った子もいました。この子は無事に西城陽高校を前期で受かりましたね。城南菱創に前期で受かった子も、英語で1番点数を稼ぎました。

それ以前の、城南菱創に前期で受かった子が2人いた年も、2人とも英語は40点以上取ってきました。その3年後、2人とも無事に理系の国公立大学に受かったのですが、中3の時は英語が1番得意で、理系だと思っていませんでした…。

それくらいに、前期選抜の英語は努力次第で伸びる印象があります。数学と比べて、天井がないイメージですね。

ここから全受験生が同じ時間を努力するとすれば、英語にベットするのが最もリターンが得られるかと思います。

さて、具体的に内容を見ていきましょう。

試験は、大問3つで構成されています。

大問1つ目は英作文です。2点✖️3問。英作文、と聞いて拒否反応を起こす子もいるでしょうが、

自由英作文のような難しいものではなく、多くは、5単語〜7単語程度の、決まった文章を書くものです。

空欄の前後から書くべきことを特定できる要素が多いので、自由度が少ない分書きやすいです。

登場人物の吹き出しから内容を推測することも多いので、必ず吹き出しは見ること。

一度使った語句は代名詞にして答える。現在完了で答えているので現在完了形で聞く、など、文法の基本をガチガチに固められていれば、満点を狙えます。突飛な知識は出ませんので安心しましょう。

大問2は長文…、というより、会話文ですね。常に誰かのセリフですから、まだ読みやすいでしょう。地図、または表やグラフが合わさって出てきます。実力テストや中期選抜の大問2のような問題ですね。

分量自体は多くないので、ここでいかに時間をかけずに正解できるかどうかが勝負になります。

例えばいつかのセンター試験のような、後から予定変更、ということはほとんどありませんから、安心して読解していけばいいです笑

大問3は長文ですが、量は大問2の1.5倍ほどあります。本格的な物語文です。会話文ではありません。

動詞の語形変化 脱文挿入 適語補充 適語選択 英問英答 内容一致 整序英作

などの形で出題が構成されていることが多いですね。

英文が正確に素早く読めるかどうかに加えて、

文法の知識が必須になります。

特に英問英答は対策していれば簡単ですが、対策していなければ引っかかる子が多いです。主語を代名詞に変える、などの基本動作を怠らないようにしてきたか?が問われますね。

さて、もっと細かいことを書きたいのですが、書けばキリがないので、受験生に向けて、まとめたアドバイスを考えてみます。

まず、偏差値50くらいの子。実力テストで25点前後の子。英語の前期選抜の過去問で20〜25点前後の子。これが1番多いでしょう。

君たちは、まだまだ、長文読解で伸びる可能性が高いです。塾に通っているなら塾の教材、なければ市販の長文問題集、または教科書の英文を、繰り返し読みましょう。

また、現行の教科書の英文は、量、質ともに高いので、これを繰り返し和訳、音読するだけで長文読解力は十分に伸びます。しかし、1回では不十分です。3年分を5回以上、できれば10回は和訳、音読を繰り返しましょう。英文を読む景色が見違えるはずです。ちなみに音読は、みんなその効果を軽く見過ぎです。みんなが思っている数倍もの効果がありますから、音読は、何も考えずにやったもの勝ちです。「音読って意味があるの?」なんて考えるより先に口を動かしましょう。

それから、偏差値60くらいの子。英語が得意な子。実力テストでは30点以上をコンスタントに取れる子。過去問をやっても30点以上取れる子。

君たちはおそらく、長文読解自体はあまり困っていないでしょう。英作文や英問英答、語形変化など、文法問題が絡んだところで失点しているはず。ですから、文法の対策をしましょう。

塾に通っていれば、文法中心の教材を中心に1年生から学習し直しましょう。また、英語の文法の教材には、最後の方のページに、「基本文のまとめ」などと称して、基本の英文と日本文が対称になって載っているページがあることが多いです。そのページの、日本文を見て英語にできるようになるまで繰り返し練習してみましょう。重要な英文法の力がつくだけでなく、重要な熟語も覚えられることがあります。

ちなみに、文法問題で最も難しいものは、分詞です。過去問を解いていて、分詞を使った語形変化や整序問題が全てできるようになれば、文法の力はかなりのレベルに達していると思って良いでしょう。

それから、偏差値40くらいの子。実力テストで10点台の子。英語が苦手な子。過去問で10点台の子。

残念ながら、この時点では、前期選抜の英語の点数を伸ばすには基礎知識が足りない可能性が高いです。英語は基礎知識がある程度入っていないと伸びるのに大変時間がかかる教科です。この日を迎えるまでに、英語力をなんとかしなければなりませんでした。ですから、英語は手遅れにならないように、塾の子には、前もって口を酸っぱくして言い続け、単語テストや長文を繰り返し、知識を詰め込んで来ています。

しかし、まだやれることはあります。まずは単語力を伸ばしましょう。そして、不規則動詞を覚えましょう。それができれば、長文読解を簡単な問題から解いていき、解いたら一文一文訳せるようにして、音読しましょう。過去問も同じように取り組みます。少しでも訳せる文章を増やすのです。基礎の文法から美しく体系的に学ぶよりも、泥臭く力技で、単語暗記、和訳を繰り返した方が良いです。得点だけを考えるなら、また、中期選抜まで考えるなら、文法問題に取り組む時間は極力捨てた方が良い。長文読解にあなたの時間を振った方が、コスパが良いです。文法問題に取り組んでいる暇があるなら、理科や社会の暗記に振る方が良いです。入試は、残り時間との戦いですから。

以上、今からできる前期選抜への対策をざっくりとですが、考えてみました。もちろん、細部のアドバイスは1人1人の状況によって違いますが、試してみようかと思ったことがあれば、やってみて損はしないと思います。英語は高校でも大事ですし、むしろますます重要性と存在感を増す教科ですから、得意な子はもっと得意に、苦手な子は少しでも克服できるように、頑張ってほしいと思います。